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会社設立時に決めなくてはならない事項で、頭を悩ますのが会社の『目的』です。
本来、会社は定款に定めた事業目的の範囲内でのみ存在するのですが、判例等によってそ
の意味は、ほぼ失われています。では、会社の目的を考える上で大切なことは一体何でし
ょう。
ちょっと考えてみましょう。
1.適法性、営利性、明確性
まずはかたい話から、事業目的の適格性として、『適法性』、『営利性』、『明確性』が
求められています。
『適法性』
会社は、公序良俗又は法令に違反する事業を目的とすることができません。
『麻薬の売買なんて目的は駄目ですよ~。』とか、『弁護士の業務なんて目的は駄目です
よ~。(弁護士の仕事は、弁護士さんしかできません。)』なんてことです。
『営利性』
会社は、利益を構成員に分配することが目的なので、目的に営利性が必要です。
しかし、目的の1つにでも営利性があれば問題ないので、あまり気にする必要は無いです
ね。
『明確性』
簡単に言うと、『意味が分からないのは、駄目ですよ~。』ということです。「広辞苑」、
「知恵蔵」、「イミダス」、「現代用語の基礎知識」などに記載があることが明確性判断
の基準の一つになります。
『具体性』
会社法の施行前は、『具体性』も求められていました。しかし、会社法において具体性は
求められていませんので、『商業』、『事業』といったものでも可能になりました。
2.目的の数
よく『目的の数に制限がありますか?』と質問されることがありますが、目的の数に制限
はありません。しかし、だからといって100個も200個も会社の目的があるの
はどうでしょう。その会社が一体何の会社なのかが分かりにくくなりますし、正直
ちょっと怪しさを感じますよね。
一方、すぐにやらない事業でも将来的にやる可能性のある事業は目的に入れておくべきで
す。目的は後から変更することができますが、費用が掛かってしまいます。
この矛盾する2つをうまく調整するのが大事なことです。
目的の判断に迷うときは、同業他社の目的を参考にしたり、法務局の相談窓口に相談して
みましょう。
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